不動産トラブル事例

不動産を購入する前や購入したのち、不動産会社とのトラブル、工務店とのトラブル、近隣とのトラブルなど、
さまざまな悩みと直面することも少なくありません。
今までに実際におきたトラブルを事例として紹介し、考え方や解釈の仕方などをご紹介いたしております。

上下水道やガス管などの引き込み費用は、買主が負担するのでしょうか。

駐車場として用いられていた土地を購入して、事務所兼自宅を建てようと考えておりました。

大通りに面しており、周辺に建物もあることから、問題なく各種ライフラインも通るだろうと考え、即決しました。

契約の際の重要事項説明書には、ライフラインが土地の敷地内にはないという説明がありましたが、具体的な費用などの話はありませんでした。

契約を結び、建設会社の選定を始めたのですが、数社とった見積もりのすべてで、ライフラインの引き込み費用が非常に高額でした。

実は、確かに前面の道路に水道管が通っているのですが、建設予定地とは反対側の道路に通っており、さらに道路が2車線であるため、掘削などの費用が通常よりも高いと判明しました。

そのことを不動産の業者に問い合わせたところ、あくまでも土地の販売であり、重要事項の説明時にも説明しているとされて、対応できることはないという回答でした。

契約書などに特別な条件がないかぎり、ライフラインの引き込み費用は、買主の負担になります。

契約の中で特別な条件などが設定されていないのであれば、各種ライフラインの引き込み費用は全て買主の負担になります。

前面道路に水道やガス管などが整備されているかの確認は、非常に重要な事項になります。

売り出し中の土地は、基本的には以前そこに建物が立っていた場合を除き、一般的な土地では上下水道、ガス管は引き込まれていません。

 

ポイントとして重要なのが、前面道路に各種配管が埋設されているかを、埋設管図というもので確認するという事です。

この埋設管図は重要事項説明の際にほぼ必ず触れ、目を通す必要がある資料です。

これを見ることで、例えば隣地までガス管が来ているが購入予定地にまでは来ていない、下水道だけは通っていないということが確認できます。

近隣に同規模の建物がいくつもあり、一般的な上下水道程度なら通っていると予測される場合でも、反対側車線の道路から引いているため費用が大きくかかる、ということが起こりえます。

当然、不動産業者の説明不足などの可能性はありますが、思いもよらない部分で大きなコストが発生することは往々にしてありますので、注意してください。