不動産トラブル事例

不動産を購入する前や購入したのち、不動産会社とのトラブル、工務店とのトラブル、近隣とのトラブルなど、
さまざまな悩みと直面することも少なくありません。
今までに実際におきたトラブルを事例として紹介し、考え方や解釈の仕方などをご紹介いたしております。

注文住宅での工期遅延によるホテル暮らし…。宿泊費の請求書の行方は…!?

注文住宅を依頼した建築家が海外に出張などで忙しく、現場には事務所のスタッフしか足を運ばなかったため、施工会社から工事について大事な判断を求められても即答できず、結果として予定の工程よりもずっと遅れてしまっています。引渡しの期日が予定より大幅に遅れてしまったために、これからしばらくの間は住むところがなくホテル住まいをしなくてはいけません。この場合、宿泊についての費用は建築家へ請求することが可能なのでしょうか。

 

工事遅延の理由や契約書の内容によって、判断が変わってきます!

今回の場合、建築家が海外出張のためスタッフしか現場に足を運ばなかったということですが、理由によって請求先が変わってくるので、まずは工事が遅れてしまった理由についての説明を求め、原因をはっきりさせる必要があります。

工事の遅れというのは様々な影響が考えられます。例えば、①雨が長く続いて現場の作業ができなった ②設計変更によって部材の納期が遅れた ③工事のミスがあったためにやり直し作業が必要になった、などです。この時、建築家と工務店とで意見が食い違う場合があるので、両者に対して具体的な話を求めるようにしましょう。その上で、それが建築家もしくは工務店による人的な影響による遅れということであれば、ホテル滞在時の宿泊費用をどうするかの話合いは可能となるでしょう。

ただし、その際に注意しておきたいのは、建築家や工務店との契約書を確認しておくことです。なぜならば、使用している契約書の内容は建築家や工務店によって異なり、その内容に基づいて話し合いを進める必要があるからです。この遅延による補償が契約書の中でどのように取り決められているか、スムーズに話し合いを進めるためにも、契約書の記載事項についてはしっかりと確認しておきましょう。