免震構造と耐震構造の違いとは?

日本は世界でも有数の地震国であり、地震に対する建築基準法も厳しく定められています。地震対策として、耐震構造や免震構造がありますがその違いはどこにあるのでしょうか。

 

耐震構造は、柱や梁を太く壁を厚くすることで地震の力に対抗する構造で、建物自体が地震に耐えるような強度に造られます。どんな工法でもそれぞれ建物が変形しないようにする方法があり、それらを駆使して造ります。日本で主流の構造です。それに対して免震構造は、地震が直接伝わらないように基礎と上部構造の間に特殊な装置を付けて免震層を作ります。建物の横揺れを基礎部分で吸収して建物上部に伝わりにくくする工法です。免震構造にする場合、建物自体は耐震構造にします。免震構造は耐震構造にプラスするものなので費用もそれなりにかかります。

 

【耐震構造】

地震に耐えるように考慮して設計された構造を耐震構造といいます。1920年日本で最初の建築法規が施行されました。ヨーロッパなどでは古くから耐震設計という考えがありましたが、法制化した最初の国は日本です。関東大震災の翌年には、耐震規定が初めて法律に盛り込まれました。1978年の宮城県沖地震で甚大な被害を出したため、1981年に建築基準法が大改正され、「震度6強の地震が起きた際、家が傾くことはあってもつぶれない」という基準が設定されました。耐震構造は特別な装置を必要としないため、最も安価に設計できます。耐震構造の目標は「人命を守ること」で、大地震が起きた際、物は倒壊しないが破損し建て替えが必要になることもあります。

 

【免震構造】

免震装置により横揺れを大きく減らせる効果があります。地震によって地盤が早く激しく揺れても、建物はほとんど損傷を受けません。人命の安全はもちろんのこと、大切な家具や機器も守ることができます。建物が損傷を受けなければ震災後の補修や補強・解体・建て替えの心配もありません。地震直後から普段通りの生活ができるのが最大のメリットです。免震構造の技術開発はどんどん進んでおり、マンションなどでは積極的に採用されるようになってきました。費用はかかりますが、少しずつ一戸建てにも取り入れられるようになってきました。

 

今後ますます需要が増えれば、コストが安くなる可能性は十分にあります。耐震構造・免震構造を取り入れて安心と安全そして、住宅の価値を高めることもこれからの住まいづくりのポイントです。