昨今の治安の悪化もあり防犯への意識が急速に高まり、マンションを中心にさまざまな施策が展開されています。
マンションなどの防犯性能を審査し、一定基準を満たした物件を「防犯優良物件」に認定する制度が始まっています。(財)ベターリング (財)全国防犯協会連合会 (社)日本防犯設備協会 の3つの法人が平成18年4月1日に防犯上優れたマンションを認定する全国統一の「防犯優良マンション標準認定基準」を制定しました。
東京都では、(財)東京防犯協会連合会(東防連)が審査基準を定め、東京都セキュリティ促進協力会(東セ協)所属の防犯設備士と一級建築士が調査を行います。審査に合格した際は東防連が認証・登録を行います。認証されれば物件に「優良防犯マンション認証」などが書かれたプレートを設置することができ、マンションの資産価値を高めることができます。
≪審査基準≫
1.ガラス面の強化
空き巣などの侵入は大半がガラス面を破る手口です。侵入防止のために、防犯ガラスや防犯フィルムを貼ったり補助錠を設置しましょう。実際の審査は、防犯建物部品指定のサッシの使用などの条件が付きます。
2.敷地外周
敷地外周に1m以上かつ見通しを妨げない塀があること。道路からの見通しがきくので最も安全です。建物の出入り口が道路から見える場所にあったり、バルコニーや踊り場、外廊下が道路の電柱から2m以上離れている物件は電柱をよじ登ったり飛び移ることができません。見通しが良い場所は犯罪が起きにくくなります。
3.駐車場
駐車場は道路や居室窓からの見通しが確保される配置・構造であること。出入口に防犯カメラが設置してあること。夜間人の行動を視認できる程度の明るさを確保していること。マンションの車を狙った車上荒らしなどの犯罪も見過ごせません。
4.住戸の玄関
デットボルト(ドアの鍵のカンヌキ)が外部から見えない構造であること、ガードプレート(ドアと壁の隙間を覆うプレート)などの設置。ドアチェーンが付いており、のぞき見を防止するためのフタ付のドアスコープが付いていること。覗きやストーカーなどの被害にあわないために対策が必要です。
認可を受けていないからといって必ずしも防犯に弱いとは限りません。この基準を参考にして住人の皆さんが防犯意識を高め、安全を確保するために助け合うことが大切です。