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2019.08.13マンションの寿命は何年?いつまで住むことができるのでしょう。

中古マンションの購入を検討している方にとっては、マンションの寿命はとても大きな問題です。比較的早くからマンションの普及が進んだ東京都で、老朽化マンション対策が政策課題に大きく取り上げられたのは2000年前後ですが当時の老朽化の目安は「築30年」でした。しかし、国土交通省の「中古住宅流通促進・活用に関する研究会」報告書によれば「RC造建築の寿命は117年」「マンションの寿命は120年、メンテナンスにより150年まで延命できる」という研究結果がでています。十分に100年を超える耐久性があるものと考えられています。新築ではなく中古を買うのが当たり前の欧米では、地震が多い地域などでも100年以上の住宅はめずらしいことではありません。コンクリートの寿命を決める要素はいろいろありますが、鉄筋を包むコンクリ―ロのかぶり厚(鉄筋からコンクリート表面までの最短距離)が大きいほど物理的耐用年数が増すといわれています。かぶり厚3㎝で65年、4㎝で100年となるようです。

 

マンションの寿命を考えるうえで欠かせないのが維持管理・修繕の問題です。堅牢なコンクリート建築も、長い間雨風や日差しにさらされ消耗する為、定期的なメンテナンスが不可欠です。大規模修繕が行われているか、修繕のための資金がたまっているかなど確認すれば、そのマンションがどのように管理されてきたかわかります。しかし、建て替えや取り壊しの原因は老朽化とは限りません。建物として限界を迎える前に建て直される原因は「配管」にあります。配管の寿命はおよそ25年~30年とされています。1960年~1970年代に建てられたマンションの多くは配管設備をコンクリートの躯体に埋め込まれており、取り替え工事が困難です。配管設備に致命的な問題が起これば建物ごと建て替える必要があります。結果的に、建物として寿命はまだ先なのに、設備配管類の耐用年数が原因で想定していたよりも早くに建物の限界がきてしまうのです。寿命の長いマンションの条件の一つは、設備配管類の維持管理のしやすい構造になっているかどうかです。また、耐震性の問題から建て替えや取り壊しが決まった例もあります。新耐震基準が始まる1981年6月以前の建物は大きな地震を想定していないため、耐震診断と必要に応じて補強工事を行うよう政府は奨励しています。補強工事は大掛かりで費用も高額なため、建て替えたほうが効率的という考えです。また、区画整理や再開発のため取り壊されることもあります。

 

適切な維持管理・修繕ができており、大地震による破損がなければ築60年~70年あたりまでは住み続けられるケースが多いでしょう。ただし、マンションもそれぞれ違うため事前の入念な確認を怠らないようにしましょう。