住宅着工戸数は17年度95万戸・2020年度77万戸・2025年度69万戸・2030年度には60万戸へと減少していく見込みです。2018年9月の新設住宅戸数は前年同月比では1.5減少(8万1903戸)2か月ぶりの減少となりました。19年10月消費税増税を睨んだ駆け込み需要の効果で18年度の着工数は増加する可能性があります。過去の消費税増税時に大きな影響が見られたのが持家※である。19年10月の引き上げ時にも持家着工は駆け込み需要の影響が出やすいといわれています。
※住宅着工統計上の区分では、持家は「建築主が自分で居住する目的で建築するもの」を指します。
住宅着工戸数は19年夏以降、駆け込み需要の反動もあり大幅に減少する見込みで、政府は駆け込みによる経済への影響を平準化するため住宅ローン減税とすまい給付金の2つの制度を導入しています。
住宅ローン減税・・・住宅ローンを借り入れて住宅を購入する場合、購入者の金利負担を軽減するための制度です。毎年末の住宅ローン残高または、住宅の取得対価のうちいずれか少ないほうの金額の1%が10年間に渡り所得税の額から控除されます。また、所得税から控除しきれない場合は住民税からも一部控除されます。申請は、住宅ローンを借り入れる方が個人単位で申請します。新築住宅だけでなく中古住宅も対象です。増築・一定規模以上の修繕、模様替えなども100万円以上の工事費の場合は住宅ローン減税の対象です。
主な要件・・・床面積が50㎡以上であること・借入金の償還期間が10年以上である事・年収が3000万円以下であること
すまい給付金・・・支払っている所得税等から控除する仕組みで、収入が低いほどその効果が小さくなります。住宅ローン減税の拡充による負担軽減効果が十分に及ばない収入層に対して住宅ローン減税と合わせて消費税率引上げによる負担軽減をはかるもので、収入により給付額が変わる仕組みになっています。
主な要件・・・住宅の所有者(不動産登記上の持分保有者)・住民票において取得した住宅への居住が確認できる方・収入が一定以下、収入額の目安が510万円以下(8%以下)収入の目安が775万円以下(10%時)・住宅ローンを利用しない場合のみ年齢が50歳以上の方
住宅着工戸数の減少の原因には建設業務従事者の減少と人手不足の問題もあります。大工の人数は2015年時点では35万人ですが、高齢化なども進み2030年には21万人まで減少するのではないかといわれています。人手が不足しているなか、震災復興や東京オリンピックなど建設需要は増加しています。住宅着工戸数の進捗にも影響を与えています。