今社会的な問題となっている「空き家・空き地問題」空き家は既に、利用活用できるものを含めると820万戸を超えこのまま放置すれば10倍になるという予測もあります。
まず「空き家」と言っても種類があります。①常時すんではいないが使っている。②貸したいのに借り手がいない。③売りたいのに買い手がいない。④用途がない・使われていないが分類不可能。「空き家問題」で一番の問題は④に分類されるものです。例えば施設などの入所で空き家になる場合や、所有者が亡くなって空き家になる場合などです。
「空き家問題」は地方だけに限らず、人口の多い東京都・神奈川県・愛知県・大阪府の4県を合計すると約240万戸の空き家が存在します。この4県で全体の29%にも達します。全国どこでもこの問題は深刻であり今なおその数が増え続けています。
ではなぜ増え続けるのか・・・いくつか理由があります、経済的な理由では住宅がない土地では固定資産が最大4.2倍に増えてしまう!お金を使って解体したのに税金が上がるのならそのままでいい!と考える方もいます。現在の建築基準法以前の建物だと再建築ができず、宅地として利用できないので放置するという方もいます。これから住宅の購入を考えている人は、品質が確実な新築住宅に目が向きます。新築の住宅が増えるという事はそれだけ中古住宅も増えていきます。一般の住宅は最初の10年で大きく下落します、売ることも貸すこともできなくなる物件が増えていきます。また、空き家を放置すれば近所迷惑になりやすく地域によっては景観上の問題にもなっています。それだけではなく不法侵入・不法占拠や放火などの犯罪も増加し周辺の治安にも影響します。今や対策が急がれる問題になっています。
この空き家問題を解決するには自治体の役割が非常に重要で政府が法律や、枠組みを用意しても実際に動かすのは自治体です。自治体間で協力をして成功事例や先進事例を集め政策に波及させることが重要です。その他にも、空き家・空き地バンクや不動産総合データベースの整備など、空き家空き地に係る情報整備をしっかり進めていく必要もあります。各地域に根差した不動産事業者の役割も大きく、政策を国や自治体で進めてもそれを利用者へ繋ぐのは事業者です。地域貢献や新しいビジネスチャンスに繋がることもあるので事業者の方々には積極的に携わってほしい。