日本不動産研究所(JREI)は2018年9月末現在「全国木造建築費指数」の調査結果を公表しました。全国の木造建築費指数は、2010年3月末を100として108.6となり、前期比0.3%上昇・前年同期比0.5%上昇となり2012年9月末調査以降13期連続の上昇となりました。毎年3月末と9月末に不動産鑑定士等が、那覇を除く全国の県庁所在地で木造建築費を調査し集計・指数化しています。資材価格は横ばい傾向が続き建築費は全国的な高まり状況にあります。北海道胆振東部地震の被災住宅の修繕需要で労務費が大きく上昇、全国平均でも上昇傾向が続く見込みです。
建築費指数とは、建築統計数値の一種である時点を基準として核当年の建築費をそれに対するパーセントで表す建築費の変動を表す指数です。建設工業経営研究会の研究標準建築費指数・一般財団法人建設物価調査会の建設物価建築費指数・一般財団法人日本不動産研究所の全国木造建築費指数があります。
市街地価格指数とは、市街地の宅地価格(商業地・住宅地・工業地・最高価格他)の推移を表すために毎年3月末と9月末の年2回、財団法人日本不動産研究所の不動産鑑定士等が全国主要223都市の約2000地点で地価を鑑定評価して指数化しているものです。
全国の地価動向は、全国途平均で前期比0.3%(前回0.2%)となりました。前期に続き回復傾向が鮮明になりました。住宅地は交通利便性に勝る地域や住環境の良い地域では、引き続き全国的に上昇傾向が見られ長期間にわたり下落が続いてきた地域でも値頃感から下げ止まりや上昇に転じる地点も増加しています。
地方別の地価動向は一部の地方を除き、全般的に堅調な動きとなっています。近畿地方・九州沖縄地方等国内外の観光客で賑わう地域の商業地では上昇傾向が続いています。三大都市(東京・大阪・名古屋)の最高価格地は東京区部で前期比3.6%上昇・大阪圏で前期比2.2%上昇・名古屋圏で前年比1.0%上昇となり地域を代表する最高価格地では上昇傾向が継続しています。東京区部の地価価格は全用途平均で前年比1.6%上昇・商業地で前年比2.4%上昇・住宅地で前年比0.8%上昇・工業地で前年比1.7%上昇となり商業地を中心に上昇傾向が継続しています。
今後も全国で今回と同等程度の地価動向が継続する見通しです。大都市だけでなく地方都市においても上昇傾向が続く見通しです。