ライフスタイルの変化に伴い住宅に求めるものが変われば、状況や条件にあった家に住み替えたいと考える人も多いのではないでしょうか。特に、持ち家を売却して新居を購入する買い替えの場合は売却と購入のタイミングが重要です。初めて家を購入した人の年齢は30代~40代が多く、住み替えをした人の年齢は40代~60代が目立ちます。住宅を購入した人の約15%が住み替えています。持ち家を住み替える目的としては、転勤や子供の通学、親の介護など様々な理由があります。
≪住み替えの主な目的≫
・子育て、教育環境を整える
・住宅の老朽化
・転勤、転職、就職などの通勤通学の利便性
・親の介護、同居、隣居
・間取り、収納、設備などを使いやすくしたい
一般に、戸建ての建物は20年で0円になると言われています。一戸建てを売却して住み替える場合は、築年数20年を過ぎる前に売却することが大切です。売却には売買契約書に貼る印紙税のほかにも住宅ローンの残債を清算する全額繰上返済にかかる手数料、戸建てを更地で売却する場合はそのための費用もかかります。
≪売却でかかる費用≫
・不動産売買契約書の印紙税
・仲介手数料
・住宅ローン全部繰上返済手数料
・抵当権抹消費用
・その他クリーニングやリフォーム代、新居への引越し費用など
住み替えのタイミングは住み替える目的・売却する物件により最適なタイミングがあり、住み替えるための資金計画にも左右されます。住み替えには大きく分けて4つのパターンがあります。
≪売買同時進行≫
現在の住まいを売りに出しつつ、住み替え物件を探します。売却資金を購入資金に充てられますが、住みながらの売却なので内覧などでは不利になりがちです。住み替えの時期が決まっている場合は不動産業者に買い取ってもらうこともできますが、通常の販売価格よりも低い価格になります。なお、売りに出した物件の売却価格が住宅ローン残高よりも低い場合、不足分を補う手元資金がなく抵当権抹消ができない人は「買い替え住宅ローン」を利用して借りる方法もあります。
≪売り先行≫
先に住宅の売却手続きを行うので、住宅の売却代を新しい住宅を購入する資金に充てられるため、次の物件の予算や入居時期も決めやすくなります。売却額で妥協したくない人や、住み替え時期が差し迫ってない人には向いています。しかし、売却したタイミングで住み替え物件に入居ができない場合は一旦賃貸住宅に住む必要があるため引越し費用・家賃などが余分にかかります。
≪買い先行≫
住み替え物件を先に購入してから、現在の物件を売りに出します。荷物が何もない状態で内覧を行うことができ高めに売却できる傾向があります。元の物件に住宅ローンが残っている場合は、一時的に二重ローンになることから新規借り入れが希望額にとどかないこともあります。住み替え物件の予算は慎重に検討しましょう。
≪買い替えのみ≫
住み替え物件のみ購入し、現在の物件は賃貸に出します。現在の住宅が賃貸住宅として利用でき、売却代金を購入代金に充てる必要がない場合は可能です。
それぞれに、売却や資金計画も異なります。注意点を理解し最適な住み替えのタイミングを把握して、無理なく住み替えを成功させましょう。