水害リスク説明義務化

国土交通省は8月28日から、宅地や建物売買などを行う宅地建物取引業者は契約前に水害リスクを前もって説明することが義務付けられます。浸水想定区域で浸水被害が相次いでいることから省令を改正しました。既に不動産の売買取引ではその説明をしている不動産業者がほとんどだと思いますが、今回の改正では賃貸取引も対象となります。

宅地建物取引業法では、契約を結ぶかどうかの判断に影響する「重要事項」は事前説明が義務付けられています。今後は重要事項説明の項目に、水害リスクが盛り込まれ、自治体が作成している水害ハザードマップを活用し物件の位置や浸水のリスクなどの説明をしなければなりません。自治体がハザードマップを作っていない場合には、契約相手にそのことを伝えることも義務づけられます。違反や改善命令に従わない場合は業務停止が命じられます。

相次ぐ水害では、実際に浸水被害が出た地域がハザードマップで浸水が想定される地域と重なることが多く事前にリスクを把握する重要性が高まっています。浸水想定区域の外にあっても、雨の降り方や地形により浸水が起る場合もあり注意が必要です。国は被害の拡大を防ぐため、災害の危険性が高い地域での開発も抑制する。「災害レッドゾーン」と言われる土砂災害特別警戒区域では、学校や店舗などの施設の建設が原則禁止されます。新たに住宅を購入したり、借りたりする人にとっては水害リスクの説明を受けられることで水害リスクについて再確認でき安心感があります。

急峻な地形の日本では水害リスクから逃れるには限界があります。住まい方の工夫をして上手に付き合っていくことが求められています。