省エネ法説明義務制度

2021年4月より「省エネ法説明義務制度」が始まっています。これから新居の建築を考えている方は、必ず受ける新しい制度です。そもそも、「建築物省エネ法」はなぜ作られたのでしょう。地球温暖化により近年の異常気象は人々の健康だけでなく、動植物の減少・農作物の不作・伝染病の拡大などの影響がでています。地球規模の温暖化を食い止めるための国際条約「パリ協定」を採択し省エネルギー化に取り組んでいます。

様々な分野で計算した結果、新築住宅における消費エネルギーの割合が一定程度あり、省エネ効果が見込めるためこの法律ができました。しかし、省エネ基準に適合している新築住宅は約6割(平成29年)にとどまっており、エネルギー消費は増加の一途をたどっています。そのため、建築士から建築主へ省エネ性能に関する説明義務が取り決められました。

この制度の対象となる物件は、①2021年4月1日以降に契約した物件➁300㎡未満の小規模住宅、建築物の新築・増改築(10㎡以下のものは除く)となっており、多くの方が該当します。省エネ基準を満たしていない建築物の場合は、建築主に省エネ性能を確保するための措置を説明します。省エネ基準の適合だけでなく、省エネの必要性や効果について情報提供を受けることも重要です。その上で、適合させるのか不適合のままにするか選択することができます。また、建築主が説明不要とした場合には意思表示として書面の作成と保存が必要となります。 省エネ性能の高い住宅は、環境に優しいだけでなく建築主にとっても光熱費の削減・メンテナンス費用の削減・コスト減など大きなメリットがあります。適合化を先送りにし、いざ適合させようとすると新たに費用が必要となります。永く暮らすことを考えて、どのタイミングでどのようなメンテナンスが必要になるのか予め把握しておきましょう。