不動産トラブル事例

不動産を購入する前や購入したのち、不動産会社とのトラブル、工務店とのトラブル、近隣とのトラブルなど、
さまざまな悩みと直面することも少なくありません。
今までに実際におきたトラブルを事例として紹介し、考え方や解釈の仕方などをご紹介いたしております。

そこは、うちの土地では?正確な土地の境界線はどこなのか?

自分の土地の範囲が記載されている地積測量図の内容と実際の土地の状況が違うような・・・お宅の塀は我が家の土地に建っていませんか?と言いたいのですが、そもそもなぜこのようなことが起きるのでしょうか。今のところお隣さんとは良好な関係をきずいていますが、今後境界線のことでトラブルになりそうな場合はどうすればいいのでしょうか。

トラブル防止のために土地境界確認書を作成しておきましょう!

土地の境界線とは何なのでしょうか。自分の土地の隅の点を境界点(筆界点)といい、境界の折れ点に設置された目印を境界標といいます。境界標と境界標を結ぶ線が境界線です。境界標があれば土地の管理がしやすくなり境界トラブルも起こりにくくなります。境界標には永続性のある石杭やコンクリート杭、金属標などを使うのが一般的です。

≪境界標の種類≫

コンクリート杭・・・永続性があり最も多く使用されています。

御影石・・・最も優れた永続性があります。自然石のため希少価値が高く堅いため加工に手間がかかります。

根 巻・・・境界標をさらにコンクリートで根巻すること。

プラスチック杭・・・軽く安定性に欠ける部分がありますが、加工が簡単で市場に多く出ています。

木 杭・・・1年~2年程度で腐食します。仮杭や一時的な杭として使用します。

金属標・・・鋳鉄杭をはじめ真鍮・ステンレス・アルミ等、いろんな種類が開発されています。

土地の境界は当初から決まっており、所有者などが勝手に決めることはできません。土地の境界トラブルの多くは境界の誤認によるものです。土地の境界上になにもおかれていないと、どこが正しい境界線なのか分からないこともあります。境界標の移動や行方不明はなぜ起こるのでしょうか?境界標は、地震や洪水などの災害が原因で位置がずれる行方不明になることがありますが、多いのは境界標を一時的に移動し正しい位置に戻さなかったなどの、人為的なミスによるものといわれています。電柱の建て替え・移動・マンホール工事などでも境界標がずれることがあります。

境界線が正しいか確認するには、全ての敷地の角に境界標が揃っているか確認しましょう。ない場合は新たに設置する必要があります。境界標・地積測量図・道路図が一致しているか確認しましょう。

地積測量図・・・地積の測量結果を明らかにする法的な図面です。土地の登記の際に添付される図面で、面積の根拠を示す為に作成します。法務局に提出され、土地の正確な形状・位置・境界標の位置なども確認できます。古い年代に作成された地積測量図は境界標の位置が示されていないこともあります。地積測量図があれば土地家屋調査士に依頼して境界標を元の位置に直すことができます。大切に保管しておきましょう。

道路図・・・道路の現況を示したもの。道路の幅員や車線・路面状況と通行の難易度・区間ごとの距離・国道・県道・有料道路などの管理区分、路線番号や路線名などが明記されている。

土地家屋調査士に正しい境界線を確定してもらい、塀の位置がはみ出しているなら塀を作り直してもらうか、隣地の方に買ってもらうなどの方法で解決しましょう。また、トラブルを防ぐ方法として筆界特定制度があります。

筆界特定制度・・・土地の所有者として登録されている人などの申請に基づいて筆界特定登記官が、外部専門家である筆界調査委員の意見を踏まえて土地の筆界の位置を特定する制度です。もともとあった筆界を明らかにしてくれます。筆界特定制度を活用すれば、公的な判断として筆界を明らかにでき裁判をしなくても筆界をめぐる問題の解決を図ることができます。

土地の境界線を明確にできたなら、土地境界確認書(筆界確認書)を作成し実印を押して印鑑登録証明書を添付しておくと安心です。土地境界確認書は隣地所有者と土地の境界線について合意したことを証明する書面になります。境界線のトラブルを防ぐことができます。