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住宅性能評価があれば本当に安心なのでしょうか?

住宅性能評価があれば本当に安心なのでしょうか?

築18年の中古マンションなのですが、近隣のマンションには「住宅性能評価書」がついていますが今回購入を考えているマンションには付いていません。物件は気にいているのですがなんだか心配です・・・なぜ評価書がある物件とない物件があるのでしょうか??

 

平成12年10月にスタートした住宅性能表示制度に基づいて発行されます。中古住宅向けの制度も2002年8月からスタートしています。住まいの性能面について、全国統一基準に基づいて表示・評価する為に作られました。築18年の物件なら住宅性能評価書の制度が始まる前に建てられているかもしれません。国内で初めて取得した物件は2001年夏に竣工しています。

 

住宅性能表示制度は建築基準法と同じ国の法律による制度です。ただし、任意の制度である為、利用しなくても建てることができます。数値化することで様々な工法で作られた物件を比較することができる様になりました。建物のチェックは設計段階【設計性能評価】・建設段階【建設性能評価】の2段階で行われます。

 

≪住宅性能評価で評価される項目≫

1.構造の安定(地震などに対する強さ)・・・地震などが起きた時の倒壊のしにくさや損傷の受けにくさを評価します。等級が高いほど地震などに対して強いことを意味します。

2.火災時の安全(火災に対する安全性)・・・住宅の中で火事が起きたとき安全に避難できるための、燃え広がりにくさ・避難のしやすさ・延焼のしにくさなどを評価します。

3.劣化の軽減(柱や土台などの耐久性)・・・年月が経っても土台や柱があまり傷まないようにするための対策がどの程度されているかを評価します。等級が高いほど柱や土台などの耐久性が高いことを意味します。

4.維持管理・更新への配慮(配管の清掃や補修のしやすさ・更新対策)・・・水道管・ガス管・排水管といった配管類は一般に構造躯体の修繕などを実施するよりも早く取り替える必要があります。配管のしやすさ・点検・清掃のしやすさ・故障した場合の補修のしやすさなどを評価します。

5.温熱環境・エネルギー消費量(省エネルギー対策)・・・暖房や冷房を効率的に行うために、外壁の断熱などがどの程度されているか、設備(暖冷房・換気・給湯・照明)や創エネルギー(太陽光発電など)を総合的に評価します。

6.換気環境(シックハウス対策)・・・接着剤を使用している建材から発散するホルムアルデヒドがシックハウスの原因のひとつとされているため、接着剤を使用している建材などの使用状況を評価します。

7.光・視環境(窓の面積)・・・東西南北及び上方の5方向について窓がどのぐらいの大きさで設けられているのかを評価します。

8.音環境(遮音対策)・・・主に共同住宅の場合の評価項目で上の住戸からの音や下の住戸への音、隣の住戸への音などについて、伝わりにくさを評価します。※オプションの評価項目です。

9.高齢者への配慮(高齢者や障害者への配慮)・・・高齢者や障害者などがくらしやすいよう出入口の段差をなくし、階段の勾配を緩くしたりというような配慮がどの程度されているかを評価します。

10.防犯対策・・・外部開口部(ドア・窓など)防犯上有効な建物部品や雨戸などが配置されているかの侵入防止対策を評価します。

 

国土交通大臣の登録を受けた第三者機関「住宅性能評価機関」の評価員が公平にチェックします。

住宅性能評価書が交付されると指定住宅紛争処理機関に紛争処理を申請することができます。評価書の内容だけでなく請負契約・売買契約に関する当事者間の全ての紛争の処理を扱います。※手数料は1件1万円 その他にも、地震保険料の割引や住宅ローンで優遇される場合があります。

 

性能評価がまったく交付されない物件や、設計性能評価書だけ交付される物件もあります。この評価書があるからすべて良いというわけではありません。物件の性能レベルを等級で評価しているもので、全体としてバランスがとれていることが重要です。

 

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